第232章

夏目海人と夏目太郎――二人の失踪は、前回とは違った。今回は、まるで最初からそこにいなかったかのように、音もなく消えたのだ。

夏目冬馬が何度も連絡を入れても、夏目海人は出ない。そこでようやく、丹羽光世と島宮奈々未に報告が回った。

島宮奈々未は焦りに火がつき、「いつから繋がらないの?」と声を荒げる。

その瞬間、腹の奥がずきりと沈み、思わず苦痛の声が漏れた。丹羽光世が緊張した面持ちで言う。

「奈々、焦るな」

夏目冬馬は答える。

「二時間ほど前です。海人が太郎を連れて、ちょっと買い物に出るって……出たきり戻ってません」

丹羽光世は即断した。

「探せ。全員動け。夜が明ける前――いや、1...

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